ショッピングモールのイベントでマイクラに火がついた娘と、Code.orgを4週間やってみた記録

母と娘が4週間プログラミングを続けた記録 プログラミング教育コラム

「ママ、あれもう一回やりたい」。ショッピングモールの帰り道、小学生の次女がずっとそう言い続けていました。きっかけは、買い物のついでに立ち寄った無料体験ブースです。まさかそれが、我が家で4週間続くプログラミング学習の始まりになるとは、そのときは思っていませんでした。この記事では、元IT企業エンジニアの私が「教える側」ではなく「隣で見ている親」として過ごした4週間を、うまくいったことも、うまくいかなかったことも含めて、できるだけそのまま書きます。成果を盛るつもりはありません。むしろ、盛らないほうが同じように悩む保護者の方の役に立つと思っています。

きっかけはショッピングモールの無料体験ブースだった

その日は特別プログラミングに興味があって出かけたわけではありません。週末の買い物のついでに、モールの一角で子ども向けの無料体験イベントをやっているのが目に入り、時間つぶし程度の気持ちで立ち寄りました。所要時間は1時間ほど。スタッフの方がその場でノートパソコンを用意してくれて、次女はマインクラフトの見た目をした教材を触らせてもらいました。これはHour of Code のマインクラフト教材で、詳しい仕組みはマインクラフトでプログラミングを学ぶ方法でも触れていますが、要はブロックを組み合わせてキャラクターを動かす、パズルのような学習コンテンツです。

正直、私は「よくある知育イベントの一つ」くらいにしか捉えていませんでした。ところが次女はその場から動かなくなりました。スタッフの方が次の案内をしても「もうちょっとだけ」と粘り、結局体験時間ぎりぎりまで画面に向かっていました。帰りの車の中でも、その話しかしません。「氷の場所がわからなかった」「もう一回やったら多分できる」と、こちらが聞いていないことまで話し続けていました。家に帰ってから、次女は自分でパソコンを起動して「さっきの、おうちでもできる?」と聞いてきました。調べてみると code.org という無料サイトで同じ教材が遊べることがわかり、その日のうちに自宅での学習が始まりました。イベントで火がついた、というのはまさにこの状況を指す言葉だと思います。

1週目:とにかく楽しい期。約束の30分は守れなかった

最初の1週間は、とにかく機嫌よくパソコンに向かっていました。ルールとして「1回30分まで」と決めていたのですが、これはほぼ毎日守られませんでした。「あと一個だけ」が積み重なって、気づけば1時間近く経っていることもしばしばです。ここで私が意識していたのは、口を出しすぎないことでした。元エンジニアなのでヒントは山ほど浮かびますが、答えを教えると次女は「教えてもらう」姿勢になってしまいます。隣に座って、進んだら「お、できたね」と声をかける程度にとどめました。

この1週目は、マインクラフト系の教材を一通り終えるまでの期間です。イベントで体験したもの以外にも似た教材がいくつかあり、次女は片っ端から手を付けていきました。夢中になっている姿を見て、正直「このまま順調に続くのだろう」と楽観していました。ですが、この楽観はすぐに崩れることになります。

2週目:マイクラ教材が尽きて訪れた最初の山

マインクラフトをテーマにした教材には限りがあります。1週目でひと通り終えてしまうと、続きは通常のコース、いわゆる自習向けの学習パスに移ることになります。ここで最初の壁にぶつかりました。ブロックの見た目は同じでも、キャラクターやテーマがマインクラフトではなくなった途端、次女のモチベーションがはっきり落ちたのです。「これマイクラじゃない」「なんかつまらない」と、あからさまに手が止まる時間が増えました。

今振り返ると、これは当然の反応だったと思います。子どもにとって「好きなキャラクターでできること」と「同じ仕組みだけど別の絵でやること」は、大人が思う以上に別物です。この時期は1日の学習時間も短くなり、パソコンを開いても5分でやめてしまう日もありました。ここで無理に「せっかく始めたんだから」と続けさせるべきか、私自身も迷いました。結局、無理強いはせず、次女のペースに任せることにしました。

3週目:英語表示でつまずいて、1日休んだ

2週目の停滞を抜けたと思ったら、今度は別の壁が来ました。コースが進むにつれて、画面の説明文や選択肢に英語表示が増えてきたのです。次女はまだ英単語を読み慣れておらず、意味のわからない単語が出てくるたびに手が止まりました。「これなんて書いてあるの」と聞かれるたびに答えていましたが、毎回聞かれると学習のリズムが途切れてしまいます。そこで、よく出てくる単語を5つだけ選んで、紙に書いて見えるところに貼っておくことにしました。「move」「turn」「forward」「repeat」「if」といった、コースの中で繰り返し登場する言葉です。

それでも進まない日がありました。同じ画面で10分近く固まってしまい、最終的に「今日はやりたくない」と本人が言い出したので、その日はきっぱり休ませました。ここで無理にやらせなかったのは、良かった判断だったと思っています。翌日には何事もなかったように再開していました。子どものやる気は思った以上に波があり、1日休むことは後退ではなく、むしろ立て直しの時間だったのだと感じています。

4週目:突破の日に、明らかに顔が変わった

4週目に入ってしばらくした頃、次女はあるステージで何度も失敗を繰り返していました。同じところでやり直しては失敗し、また最初からやり直す、という様子を何十分も見ていました。私は口を出さず、ただ隣にいました。そして、あるとき突然クリアの画面が出た瞬間、次女の顔つきが明らかに変わりました。それまでの「やらされている」表情ではなく、「自分でできた」という誇らしげな顔です。この日を境に、次女は「今度はこういうのを作ってみたい」と、口に出すことが増えました。

ここが一つの転換点だったと思います。与えられた教材をこなす段階から、自分のアイデアを形にしたいという段階に移った、そのタイミングです。ちょうどこの頃、次女がやりたいと言うことが、code.org のコース内容よりも自由度の高いものになってきたので、私は次のステップとしてScratch(スクラッチ)に移すことを決めました。自分の作りたいものを自由に組み立てられる環境のほうが、今の次女には合うと感じたからです。具体的な移行の様子は【Scratch入門】子どもと一緒にゲームを作ろうでも紹介しています。

親がやってよかったこと3つ

4週間を振り返って、親としてやってよかったと感じていることが3つあります。

やってよかったこと
  • 答えを教えない。詰まっていても、ヒントの一歩手前で止め、本人が試行錯誤する時間を奪わないようにしました。
  • 時間を先に決める。「30分まで」という約束自体は守られないことも多かったですが、区切りがあることで、だらだら続けるのではなく「今日はここまで」という区切りの意識は残ったと思います。
  • 終わったら「何を作ったか」を説明させる。何をどう組み立てたのかを自分の言葉で話させることで、ただクリアしただけで終わらせず、理解を確かめる時間になりました。

やらなくてよかったこと2つ

逆に、やらなくて正解だったと思うことも2つあります。

注意
  • 進捗を毎日確認して急かすこと。2週目のようにモチベーションが落ちる時期は必ずあります。ここで「早くやりなさい」と急かしていたら、プログラミング自体が嫌いになっていたかもしれません。
  • 親が先回りしてコースを選ぶこと。元エンジニアとして「次はこれをやらせたほうが効率的」という判断はいくらでもできますが、それをやると次女の「自分で選んでいる」感覚が失われてしまいます。3週目の停滞から4週目の突破まで、あえて口を出さなかったからこそ、本人の中に「自分でできた」という手応えが残ったのだと思います。

4週間でわかったこと

正直に結論を書きます。Code.org は「火をつける」のはとても得意です。ショッピングモールでのたった1時間の体験が、家庭学習につながったこと自体がその証拠です。ですが「火を絶やさない」のは、教材の役目ではなく家庭側の仕事だと、この4週間で強く感じました。2週目のモチベーション低下も、3週目の英語の壁も、教材側が自動的に解決してくれるものではありません。隣にいて、無理強いせず、かといって放置もせず、というバランスを親が取り続ける必要がありました。

「4週間でこんなにできるようになった」というような華々しい成果を書くつもりはありません。実際、次女ができるようになったのは、決められたステージをクリアする、という範囲の話です。それでも、体験ブースで動かなくなった1時間から、自分の作りたいものを口にするようになるまでの4週間には、確かな変化があったと感じています。

これから読む人へ

ショッピングモールや図書館などで開かれる無料の体験イベントは、探してみると意外と多くあります。いきなり自宅で教材を開かせるより、まずはこうした1時間程度の体験から始めてみるのも一つの方法です。自宅で code.org を開く場合は、平日の夜よりも休日の午前中のほうが、親も子どもも余裕を持って向き合えるように感じました。夜は親も子どもも疲れていて、うまくいかないときにお互い余裕がなくなりがちです。

Code.org そのものについてはCode.orgとは?無料で学べるプログラミング学習プラットフォームで全体像をまとめていますので、これから触れてみようと思う方はあわせてご覧ください。また、うちのようにマイクラ教材から入るご家庭も多いと思うので、マイクラで学べるプログラミング教室おすすめ4選も参考になるはずです。次女のように、ある時点で「もっと自由に作りたい」という気持ちが出てきたら、それはステップアップのサインだと思います。そのときの選択肢についてはScratchの次は何を学ぶ?ステップアップの選択肢でも書いていますので、今後の見通しを立てる際の参考にしていただければと思います。

みれい

この記事を書いた人:みれい

元IT企業エンジニア(8年勤務・基本情報技術者/応用情報技術者)。小学生の娘2人のプログラミング教室選びをきっかけに、同じ悩みを持つ保護者のために情報を発信中。技術者としてサービスの中身を判断できる立場と、月謝を払う保護者の立場の両方から、正直な意見をお届けします。▶ プロフィール詳細

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