はじめに|良かれと思ってやっていませんか?
小学校でのプログラミング教育が必修化され、自宅でもプログラミングを学ばせたいと考える保護者の方が増えています。お子さんの将来のために熱心にサポートしたい気持ちはとてもよく分かります。
しかし、その「良かれと思っての行動」が、実はお子さんのプログラミング学習を妨げてしまっているケースが少なくありません。プログラミングは他の教科とは異なり、「試行錯誤のプロセスそのもの」が学びの本質です。そのため、従来の勉強法をそのまま当てはめると逆効果になることがあるのです。
この記事では、プログラミング教育で保護者がやりがちなNG行動を5つ厳選し、それぞれの具体例と改善策を詳しく解説します。お子さんがプログラミングを楽しく学び続けられるよう、ぜひ最後までお読みください。
NG行動1:答えをすぐに教えてしまう
よくある場面
お子さんがScratchでプログラムを作っているとき、ブロックの組み合わせが分からず困っている姿を見ると、つい「ここはこのブロックを使うんだよ」「この順番で並べればいいよ」と教えたくなりますよね。特にプログラミングに詳しい保護者の方ほど、正解が見えてしまうため口を出しやすい傾向があります。
なぜNGなのか
プログラミング学習で最も大切なのは、「自分で考え、試し、失敗し、修正する」というプロセスです。これは「計算論的思考(コンピュテーショナル・シンキング)」と呼ばれ、プログラミング教育の核となる力です。
答えをすぐに教えてしまうと、このプロセスを経験する機会が奪われます。結果として、以下のような問題が起こりがちです。
- 自分で考える力が育たない
- 「分からなければ聞けばいい」という受け身の姿勢になる
- 達成感を味わえず、学習意欲が低下する
改善策:ヒントを段階的に出す
答えそのものではなく、考えるための「足がかり」を提供しましょう。具体的には以下のようなステップが効果的です。
- まずは見守る:5分〜10分は口を出さず、お子さんが自分で試行錯誤する時間を確保する
- 質問で導く:「どこまでは動いた?」「何が起きてほしいの?」と質問を投げかけ、お子さん自身に状況を整理させる
- 小さなヒントを出す:「繰り返しのブロックを使うと便利かもしれないね」のように、方向性だけを示す
- 一緒に調べる:どうしても詰まったら、答えを教えるのではなく「一緒に調べてみよう」と公式のヘルプやチュートリアルを参照する
お子さんが自力で解決できたときは、結果だけでなく「よく粘り強く考えたね!」とプロセスを褒めることも忘れないでください。
教室選びで最も大切なのは、お子さんが楽しく学べるかどうかです。まずは無料体験で相性を確認しましょう。
NG行動2:目に見える成果をすぐに求める
よくある場面
「もう3か月も通っているのに、まだ簡単なゲームも作れないの?」「お隣の〇〇くんはもうアプリを作ったらしいよ」——こんな言葉を投げかけてしまったことはありませんか?月謝を払っている以上、目に見える成果を期待する気持ちは当然です。
なぜNGなのか
プログラミングの学習には、目に見えない「地力」が蓄積される期間があります。論理的に考える力、問題を分解する力、パターンを見つける力——これらは外から見えにくいですが、確実に育っています。
成果を急ぐことで起こる問題は以下の通りです。
- お子さんが「自分はできない」と自信を失う
- 見栄えのする作品を作ることだけが目的になり、基礎理解がおろそかになる
- 学習自体が嫌いになってしまう
改善策:プロセスの成長に目を向ける
完成した作品だけでなく、学習のプロセスにおける成長を意識的に観察しましょう。
- 以前との比較:「前はここで詰まっていたけど、今回はスムーズにできたね」
- 思考過程の評価:「エラーが出たとき、自分で原因を考えられるようになったね」
- 小さな進歩の記録:学習ログやポートフォリオを作り、振り返りができるようにする
プログラミング学習は短距離走ではなくマラソンです。半年〜1年単位で成長を見守る心構えが大切です。
NG行動3:他の子どもと比較する
よくある場面
プログラミング教室の発表会や、SNSで他のお子さんの作品を見て「〇〇ちゃんはすごいのを作ってるのに、うちの子は…」と感じたり、それをお子さんに伝えてしまうケースです。兄弟・姉妹間での比較も同様です。
なぜNGなのか
プログラミングの習得スピードには大きな個人差があります。これは能力の差ではなく、興味の方向性や学習スタイルの違いによるものです。
他の子との比較は以下のような悪影響をもたらします。
- 自己肯定感が下がり、「自分にはセンスがない」と思い込む
- 自分のペースで楽しむことができなくなる
- プログラミングそのものではなく「評価されること」が目的になってしまう
- 最悪の場合、プログラミング自体を嫌いになる
改善策:「過去の自分」と比較する習慣を
比較の対象は、他人ではなく「過去のお子さん自身」にしましょう。
- 1か月前、3か月前の作品と今の作品を並べて見せる
- 「前はできなかったことが今はできるようになったね」と具体的に伝える
- お子さん独自の強みや個性を見つけて褒める(「キャラクターのデザインが上手だね」「アイデアが面白いね」など)
どうしても他のお子さんの作品が気になる場合は、「すごいね、どうやって作ったか聞いてみようか」と学びの機会に変換するのがおすすめです。
NG行動4:嫌がっているのに無理やり続けさせる
よくある場面
「せっかく始めたんだから途中で辞めちゃダメ」「将来のために必要だから頑張りなさい」と、お子さんが嫌がっているにもかかわらず、教室やレッスンに通わせ続けてしまうケースです。入会金や教材費などの初期投資を考えると、簡単にはやめさせられない気持ちもあるでしょう。
なぜNGなのか
プログラミングは自発的な興味と探究心が原動力になる学習です。嫌々やっている状態では、以下のような問題が起こります。
- 学習内容が記憶に定着しない
- 創造性が発揮されず、表面的な理解にとどまる
- 「プログラミング=つまらないもの」というネガティブなイメージが固定化される
- 親子関係にも悪影響が出る可能性がある
改善策:原因を探り、柔軟に対応する
お子さんが嫌がる背景には、さまざまな原因が考えられます。まずは原因を丁寧にヒアリングしましょう。
| 嫌がる原因 | 対応策 |
|---|---|
| 難しすぎる | レベルを下げる、教室やコースを変更する |
| 簡単すぎて退屈 | より発展的な内容にチャレンジさせる |
| 教室の雰囲気が合わない | 別の教室やオンラインレッスンを検討する |
| 他にやりたいことがある | 一時休止し、興味が戻るのを待つ |
| 使っている教材が合わない | ScratchからMinecraftなど、別のツールを試す |
大切なのは、プログラミングの「入口」は一つではないということです。教室が合わなくても、ゲーム制作、ロボット工作、動画制作など、プログラミング的思考を育てる方法は他にもたくさんあります。柔軟な対応で、お子さんに合った学びの形を一緒に探しましょう。
NG行動5:自分が理解していないのに口出しする
よくある場面
お子さんがプログラミングをしているのを横から見て、「そのやり方じゃダメでしょ」「もっと効率的な方法があるんじゃないの」と、プログラミングの知識がないのに口を出してしまうケースです。また、逆に「お母さん(お父さん)は分からないから、先生に聞いて」と完全に突き放してしまうパターンもあります。
なぜNGなのか
的外れなアドバイスは、お子さんを混乱させるだけでなく、信頼関係にも影響します。
- 間違った方向に誘導してしまい、余計に時間がかかる
- お子さんが「親に聞いても意味がない」と感じ、コミュニケーションが減る
- 親自身が焦りや不安を感じ、それがお子さんに伝播する
一方で完全に無関心を装うのも、お子さんにとっては「興味を持ってもらえない」と寂しく感じる原因になります。
改善策:「分からないけど興味がある」スタンスを取る
プログラミングの専門知識がなくても、お子さんの学習をサポートする方法はあります。
- 「教えて」の姿勢:「今何を作ってるの?」「どうやって動くの?見せて」と興味を示す。お子さんに説明させることで、理解が深まる効果もあります
- 一緒に学ぶ:お子さんと一緒にScratchの入門チュートリアルに取り組んでみる。親子で学ぶ体験は、お子さんにとって大きな喜びになります
- 感想を伝える:技術的なアドバイスではなく、「この動きが面白いね」「色使いがきれいだね」とユーザー目線の感想を伝える
- 環境を整える:技術面は教室の先生やオンライン教材に任せ、自分は学習環境(時間・場所・機材)の確保に注力する
専門的なことは分からなくても、お子さんの「一番のファン」でいることが何よりのサポートです。
まとめ|親の関わり方で子どものプログラミング学習は変わる
今回ご紹介した5つのNG行動をまとめると、以下の通りです。
- 答えをすぐに教えてしまう → ヒントを段階的に出す
- 目に見える成果をすぐに求める → プロセスの成長に目を向ける
- 他の子どもと比較する → 過去の自分と比較する
- 嫌がるのに無理やり続けさせる → 原因を探り柔軟に対応する
- 理解していないのに口出しする → 「分からないけど興味がある」姿勢を取る
プログラミング教育において、保護者の方の役割は「先生」ではなく「伴走者」です。お子さんが安心して失敗でき、自分のペースで成長できる環境を整えてあげることが、最も効果的なサポートになります。
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